※本HPのトピックスに掲載している記事は、掲載後約3か月で左欄のアーカイブへ移行します。
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ABOUT

早稲田大学社会安全政策研究所
Waseda Institute of the Policy of Social Safety(WIPSS)
所長:松澤 伸[まつざわ しん] 早稲田大学法学学術院教授
顧問:石川 正興[いしかわ まさおき] 早稲田大学名誉教授、初代所長
   棚村 政行[たなむら まさゆき] 早稲田大学名誉教授、前所長
WIPSS内規
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研究目標


 犯罪は実に多種多様です。各種犯罪の相違点を捨象して、総花的検討を加えることは適切でありません。先ずは、研究対象とする犯罪類型を明確にし、その犯罪類型ごとに多方面の専門家を集結した共同研究体制の確立と政策的アプローチの構築を企画する必要があると考えます。
 本研究所は、10年、20年、30年の長期的視野に立って順次研究対象を広げ、「犯罪を適正かつ有効に防止する安全な社会づくり」に寄与する総合的な政策研究所として発展することを目指します。

2025年度の研究計画


  2025年度は、主に以下四つの研究を実施します。

(T)学外の補助金による研究

【共同研究T-A】(継続)
  子供を守るための地域連携研究

【共同研究T-B】(継続)
  大都市治安(安全安心)研究

(U)それ以外の研究

【共同研究U-A】(継続)
  司法から福祉へつなぐダイヴァージョン研究会

【共同研究U-B】(継続)
  英米法圏少年法研究

WIPSSトピックス  (最新更新日:2025年4月10日  前回更新日:2025年3月5日)


【T】定例研究会開催記録

   ◇WIPSS第93回定例研究会開催記録
    1.日時・会場
     日時:2025(令和7)年1月18日(土)13:00−16:30
     会場:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階310教室及びオンラインでの開催(Zoomウェビナー)
    2.報告者・報告タイトル:
     洪 士軒 招聘研究員(台湾弁護士、東呉大学法学部非常勤講師)
     「台湾における矯正医療の現状」
     松澤 伸 所長(早稲田大学法学学術院教授)
     「現代刑罰理論の基礎的考察」
     ※司会担当者
      宍倉 悠太 招聘研究員(国士舘大学法学部准教授)
    3.報告概要
     第一報告では、洪招聘研究員より、台湾の刑務所等の統計データに基づく現状や刑務所医療の類型、および全国民が対象となる
     「全民健康保険制度」の概要と矯正施設収容者がその対象となるまでの経緯について報告いただいた。その上で、全民健康保険
     制度導入後の矯正医療の変化について、医療体制の充実化や医療上の人権保障の観点から分析が行われた。
     報告後、台湾と日本の医療体制の違いや受刑者の高齢者率の違いに基づく矯正医療の現状について質疑応答が行われ、受刑者と
     患者という二重の身分をもつ矯正医療対象者に医療を実施するうえでの医師確保の課題などが指摘された。
     第二報告では、松澤所長より、相対的応報刑論に対する疑問を出発点として、その内容がより精緻に展開されているデザート・
     モデルの概要について説明いただき、刑罰の正当化根拠における一般予防/抑止の妥当性について検討いただいた。また、こう
     した予防論とは異なる目的刑論として、刑罰のメッセージ表出機能に着目する「表出的刑罰論」における各種学説の主張と問題
     点を検討し、制裁としての刑罰の特異性と、刑罰の根拠における「消極的モラリズム」の必要性についてご報告いただいた。
     報告後には、判決前調査制度との整合性や適切な刑罰の適用の在り方、さらに日本のダイバージョン制度の活発な適用について
     質疑応答が行われ、行刑や処遇の根拠づけなど刑の執行段階も含め刑罰論を検討していく必要性について議論がなされた。
     
      <報告をされる洪招聘研究員>
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      <報告をされる松澤所長>
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【U】共同研究T-A(継続)「子供を守るための地域連携研究」のあゆみ

    WIPSSでは創設以来、「子どもを被害者化・加害者化から守るための多機関連携の在り方に関する研究」を継続して実施してきま
   した。2018年度には警察政策学会の一部会として承認され(研究代表:石川正興)、補助金の交付を受けることになりました。これ
   により、「警察を起点とした非行防止のための地域連携に関する研究〜政令市を中心として」を実施しています。
    研究代表の石川所長が早稲田大学を退職した2019年4月以降は、小西暁和研究所員が研究代表として当研究を引き継ぐことになり
   ましたが、2020年度以降はコロナ禍により調査研究を中断せざるを得なくなりました。コロナ禍が去った2023年度からは当研究を
   再開し、聞き取り調査を実施しています。   

    1. 研究組織
      研究会代表  小西 暁和(WIPSS研究所員)

      研究会構成員 石田 咲子(WIPSS招聘研究員)
             江ア 澄孝(WIPSS招聘研究員)            
             宍倉 悠太(WIPSS招聘研究員)
             西谷 晴美(WIPSS招聘研究員)
             吉開 多一(WIPSS招聘研究員)

    2. 研究期間 2018年4月〜継続中


【V】共同研究T-B(継続)「大都市治安(安全安心)研究」のあゆみ

    2025年度には引き続き、2016年度に警察政策学会の一部会としても承認された「大都市治安(安全安心)研究」を実施し、新宿
   区を始めとした外国人集住都市の比較研究を通じ、より安全で安心なまちづくりを行うための政策等に関し検討を行います。活動内
   容は順次紹介いたします。

    1.研究組織
      研究会代表  萬歳 寛之(WIPSS研究所員)

      研究会構成員 小西 暁和(WIPSS研究所員)
             松澤 伸(WIPSS研究所員)
             尋木 真也(WIPSS招聘研究員)
             新岡 邦良(WIPSS招聘研究員)
             皆川 誠(WIPSS招聘研究員)
             吉開 多一(WIPSS招聘研究員)

    2.研究期間 2016年4月〜継続中

【W】共同研究U-B(継続)「英米法圏少年法研究」のあゆみ

    WIPSS創設以来実施してきた「英米少年法研究(研究代表:石川正興)」(2008年度には本学比較法研究所の共同研究の一つと
   して承認)は、その成果として『創生期のアメリカ少年司法』(デビッド・S・タネンハウス著、石川正興監訳。成文堂)を2015年
   に公刊しました。
    2019年3月に研究代表の石川所長が早稲田大学を退職した後は小西暁和研究所員が研究代表となり、当研究を引き続き実施してき
   ましたが、2024年度からはWIPSSの一研究部会である「日豪犯罪処理システム比較研究会」と合体してその名称も「英米法圏少年
   法研究」に改め、英米法圏であるアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどの国々の少年法の動向に関する最新の状況につ
   いて調査研究を実施しています。
    
    1.研究組織
      研究会代表  小西 暁和(WIPSS研究所員)

      研究会構成員 石田 咲子(WIPSS招聘研究員)
             宍倉 悠太(WIPSS招聘研究員)
             田口 敬也(WIPSS招聘研究員)
             辰野 文理(WIPSS招聘研究員)
             吉開 多一(WIPSS招聘研究員)
             脇坂 成実(WIPSS招聘研究員)
           
    2. 研究期間 2008年4月〜継続中

【X】研究成果の出版物公刊

 (1)WIPSS紀要第15号の刊行
    この度、WIPSS紀要第15号が刊行されました。本号では、招聘研究員の執筆による論説及び実践報告を掲載しています。
    執筆者の氏名と掲載論文タイトル一覧は、以下のとおりです。
<論説>
廣瀬 健二「少年法の現状と課題―令和 3 年改正を中心に」

小長井 賀與「刑事政策領域の多機関連携についての一考察」

皆川 誠「国際法における国際テロリズムと国際組織犯罪の関係」

尋木 真也「国際法に基づくテロ資金規制と多文化共生の両立―ビジネスと人権およびSDGsを通じたFATF勧告の国内実施―」

<実践報告>
江ア 澄孝「警察DXに関する一考察」

世取山 茂「警察の責務と犯罪対策―2016〜2017年における茨城県警察の取組―」

<社会安全政策研究所活動ニュース>


 (2)『刑事政策の新たな潮流―石川正興先生古稀祝賀論文集―』の公刊
    この度、『刑事政策の新たな潮流―石川正興先生古稀祝賀論文集―』(成文堂刊、税込定価16,200円)が公刊されました。
    石川正興WIPSS顧問(早稲田大学名誉教授、前所長)は、本年3月3日にめでたく古稀をお迎えになられました。そこで、WIPSSの
   研究員の方々をはじめ、石川正興先生とゆかりのある国内外の多くの研究者の皆様のご協力を得て、この度、本論文集を刊行し、
   石川正興先生に捧げる運びとなりました。本書の詳細については、こちらをご覧ください。

     <書籍表紙>
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 (3)石川正興WIPSS顧問(早稲田大学名誉教授、前所長)の著書『犯罪者処遇論の展開』の公刊
    この度、石川正興著『犯罪者処遇論の展開』(成文堂刊、税込定価6,480円)が公刊されました。
    本書は、石川正興WIPSS顧問が42年間勤められた早稲田大学を本年3月に定年退職されるに当たって、これまでに公表されてきた
   論文を集め、一冊の本にまとめられたものです。収録論文は、石川正興WIPSS顧問が研究生活を始められた1973年頃から一貫して
   追い求められてきた「犯罪者処遇」に関するものを選定されておられます(本書の詳細については、こちらをご覧ください)。

     <書籍表紙>
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 (4)「英米少年法研究会」成果の出版物公刊
    デビッド・S・タネンハウス著、石川正興監訳『創生期のアメリカ少年司法』(成文堂刊、税込定価4,266円)は、好評公刊中です(本書の詳細に
   ついては、こちらをご覧ください)。
    本書は、「英米少年法研究会」によるDavid S. Tanenhaus,“Juvenile Justice in the Making”の翻訳書で、1899年にイリノイ州に世界で初めて
   の「少年裁判所」が創生された歴史を丹念に紐解き、巧みな物語的叙述でその分析が行われています。
    
     <書籍表紙>
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 (5)日工組社会安全財団助成研究および「司法から福祉へつなぐダイヴァージョン研究会」成果の出版物公刊
    石川正興編著『司法システムから福祉システムへのダイバージョン・プログラムの現状と課題』(成文堂刊、税込定価2,970円)は、
    好評公刊中です(本書の詳細については、こちらをご覧ください)。
    本書は、日工組社会安全財団からの研究助成を得て実施した「高齢出所者に対する地域生活定着支援センターの運用実態に関する研究」と、
    「司法から福祉へつなぐダイヴァージョン研究会(旧・地域生活定着促進事業研究会)」のこれまでの研究成果をまとめております。

     <書籍表紙>
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 (6)JST石川プロジェクト研究成果の出版物公刊
    石川正興編著『子どもを犯罪から守るための多機関連携の現状と課題―北九州市・札幌市・横浜市の三政令市における機関連携をもとに―』
    (成文堂刊、税込定価3,564円)は、好評公刊中です(本書の詳細については、こちらをご覧ください)。
    JST石川プロジェクトの2年半にわたる研究成果をまとめた大変充実した内容となっております。

     <書籍表紙>
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 (7)『犯罪学へのアプローチ−日中犯罪学学術シンポジウム報告書−』
    「日中犯罪学学術シンポジウム」は、社会安全研究財団の支援の下、日中犯罪学学術交流会・中国犯罪学学会の共催という形で2006年から
    開始されました。『犯罪学へのアプローチ』(成文堂刊、税込価格2,376円)は、その第1回から第3回までのシンポジウムにおける日本側報告
    論文の内容を1冊にまとめた報告書です。(本書の詳細については、こちらをご覧ください)。書店またはオンライン書店でお買い求めできます。   
     <書籍表紙>
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    ※なお、上記(4)〜(6)の書籍は書店またはオンライン書店でも購入可能ですが、本研究所でも購入可能です。
    (『司法システムから福祉システムへのダイバージョン・プログラムの現状と課題』は約1割引で2,700円、
     『子どもを犯罪から守るための多機関 連携の現状と課題』は約1割引で3,300円、それぞれ送料無料です。
     『創生期のアメリカ少年司法』については、税込定価4,266円のほか、別途送料180円がかかります。)
     ご注文はメールにて受け付けますので、件名に「書籍発注」と記載し、本文に以下の事項を明記のうえ、下記e-mailアドレスまで
     ご連絡ください。
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     *ご注文のメールをいただいた後、研究所事務局より受領のご返信をいたします。
      その際、代金振込用の口座、振込金額および振込期日をご案内しますので、お振込みください。
      なお、書籍はお振込み確認後、原則として14日以内のお届けとなりますのでよろしくお願いいたします。



研究所コンタクト先

〒169-8050

東京都新宿区西早稲田1-6-1 早稲田大学8号館710研究室(法学学術院 小西暁和研究室内)

[TEL] 080-2078-1051 [FAX] 03-5286-1312 [e-mail] [email protected]