WIPSS第61回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年11月25日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス3号館4階404号教室
- 報告者・報告タイトル:
戸井 宏紀 招聘研究員(東洋大学ライフデザイン学部助教、東京社会福祉士会司法福祉委員会委員)
「アメリカの矯正精神医療システムにおけるソーシャルワーク実践」
小中 さつき 招聘研究員(学習院女子大学国際コミュニケーション学科等非常勤講師)
「テロリズム防止のための国家間情報共有」
- 報告概要:
第一報告では、戸井研究員から、アメリカにおけるソーシャルワークの源流と展開及びコネチカット州の矯正精神医療システムにおける
ソーシャルワーク実践について報告が行われた。
報告後、刑罰・保安処分の位置付けをはじめとした日本とアメリカの制度の違い等について質疑応答が行われた。
第二報告では、小中研究員から、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けたテロリズム防止のための国家間情報共有の
重要性及び課題について報告が行われた。
報告後、情報共有のシステムにおけるEUとの関係性や各国が情報共有を望まない理由等について質疑応答が行われた。
〈第61回定例研究会風景〉
WIPSS第63回研究会開催記録
- 開催日時:2018年3月31日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館4階411号教室
- 報告者・報告タイトル:
江ア 澄孝 招聘研究員(関東学院大学高等教育開発センター非常勤講師、国士舘大学法学部非常勤講師)
「運転免許にかかるいくつかの考察」
高屋 友里 招聘研究員(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
「サイバーテロリズムの防止〜国際電気通信連合(ITU)による『有害な干渉』の国際刑罰化〜」
- 報告概要:
第一報告では、江ア研究員から、道路交通法制定までの歴史的経緯及び交通事故を防ぐための警察の役割について、
高齢運転者の交通事故の分析をも踏まえながら報告が行われた。
報告後、各運転者の運転能力の低下等を補う手段としての自動運転車の将来性等について質疑応答が行われた。
第二報告では、高屋研究員から、サイバーテロリズムを中心に、国際電気通信連合(ITU)によるサイバー・セキュリティ強化の
有用性及び課題について報告が行われた。
報告後、「有害な干渉」の概念の曖昧性や国家支援型のテロ問題について質疑応答が行われ、国際法に基づく各国内での刑罰化の
必要性が指摘された。
〈第63回定例研究会風景〉
WIPSS第64回研究会開催記録
- 開催日時:2018年5月26日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館4階312号教室
- 報告者・報告タイトル:
李 程 氏(早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了生(博士号取得者))
「法律過程と臨床過程との歴史的相克―日本の少年保護司法システムにおける検察官の役割とその中国法への示唆に関する考察」
本郷 三好 招聘研究員(前中国人民大学法学院院長特聘助理)
「中国における日本法研究の現状と課題―日中刑事法研究会と中国人民大学での体験から」
- 報告概要:
第一報告では、李氏から、日本の少年保護司法システムにおける検察官の役割の変遷及び中国の少年司法における検察官の役割の
あり方について報告が行われた。
報告後、日本と中国とで相違する統治機構の仕組みが持つ影響や中国における触法少年や虞犯少年に対する処遇等について質疑
応答が行われた。
第二報告では、本郷研究員から、日中刑事法研究会と中国人民大学での自身の体験を踏まえながら、中国における日本法研究の現状
及び更なる発展のための提言について報告が行われた。
〈第64回定例研究会風景〉
WIPSS第65回研究会開催記録
- 開催日時:2018年7月28日(土)16:30−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館4階411号教室
- 報告者・報告タイトル:
石田 咲子 研究所員(法学学術院助手、大学院法学研究科博士後期課程)
「更生緊急保護制度の意義―司法と福祉の連携に関する動向を踏まえて―」
- 報告概要:
本研究会では、石田研究員から、司法と福祉の連携に関する動向を踏まえて、刑事政策における犯罪の概念を用いながら
更生緊急保護制度の刑事司法システム上の意義について報告が行われた。
報告後、犯罪者に対する福祉支援の実態や再犯防止における地方公共団体の役割等について質疑応答が行われた。
〈第65回定例研究会風景〉
WIPSS第66回研究会開催記録
- 開催日時:2018年9月29日(土)15:00−18:00
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階会議室
- 報告者・報告タイトル:
宍倉 悠太 招聘研究員(国士舘大学法学部専任講師)
「罪を犯した発達障害者の処遇に関する刑事政策論的考察―システム論的観点から」
- 報告概要:
宍倉報告では、社会的逸脱行動(犯罪を含む)を行った発達障害者に対する対応策を検討するには、社会化―脱社会化―再社会化という
一連のシステム連環の中でその全体像を把握することが刑事政策論的に重要だと強調され、そのうえで、社会的逸脱行動を行った発達障害
少年に対する警察行政システム・児童福祉行政システム・少年保護司法システム・刑事司法システムの相互連関において、それぞれの対応
の現状分析と課題の提示がなされた。
宍倉報告に対する質疑応答では、(1)システム論分析手法の具体的適用例が必ずしも明確に展開されていないのではないか、またそもそも
システム論を用いることの意義は何かという質問や、(2)少年警察行政システム・児童福祉行政システム・少年保護司法システム・刑事司法
システムのそれぞれについての現状分析や課題剔出が総花的であり、より詳細に行われるべきとの指摘が提示された。
〈第66回定例研究会風景〉