WIPSS第55回研究会開催記録
- 開催日時:2016(平成28)年11月26日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス11号館7階708号教室
- 報告者・報告タイトル:
坂本 悠紀子 招聘研究員(新宿区更生保護女性会会長、元新宿区保護司会保護司)
「保護司活動の過去・現在・展望―38年間の保護司活動を終えて」
皆川 誠 招聘研究員(名古屋学院大学法学部専任講師)
「テロリズムの『定義』にみる法的対応への課題」
- 報告概要:
第一報告では、坂本研究員から、38年間の保護司経験を踏まえて保護司活動の課題と展望について報告が行われた。
報告後、質疑応答が行われ、対象者と接する上で心がけてきたこと等について事例を挙げながら説明された。
第二報告では、皆川研究員から、各国の国内法及び国際条約におけるテロリズムの定義にみられる課題が述べられた。
報告後、テロリズムの定義について、国際政治における正当性という観点からみた問題やテロリズムの包括的な定義の必要性について
質疑応答が行われた。
<第55回定例研究会風景>
WIPSS第56回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年1月28日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階311号教室
- 報告者・報告タイトル:
矢作 由美子 招聘研究員(敬愛大学国際学部兼任講師)
「警察による女子の不良行為少年・虞犯少年事案の処理―対象となる女子少年の特質をも踏まえて―」
吉開 多一 招聘研究員(国士舘大学法学部教授)
「英国における無期刑制度―重大犯罪における行為と危険性との関係が問題になる一場面として―」
- 報告概要:
第一報告では、矢作研究員から、統計上の数値をもとに現在の虞犯少年の認定基準や女子の虞犯少年の特徴について報告が行われた。
報告後、虞犯少年への対応に関する課題について質疑応答が行われ、矯正の分野に蓄積された知見等を活用していくことの重要性が
述べられた。
第二報告では、吉開研究員から、英国における無期刑制度について、その歴史的展開や実際の事例をもとに報告が行われた。
報告後、「無期刑」と「終身刑」といった概念や刑務所における処遇の内容など、日本と英国の違いについて質疑応答が行われた。
<第56回定例研究会風景>
WIPSS第57回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年4月8日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階312号教室
- 報告者・報告タイトル:
鷲野 薫 招聘研究員(更生保護法人両全会企画室長)
「更生保護法人両全会において現在取り組んでいる事業の現況について」
會田 正和 招聘研究員(農業生産法人株式会社えちご棚田文化研究所東京支社長)
「農業生産法人株式会社えちご棚田文化研究所において現在取り組んでいる事業の現況について」
新岡 邦良 招聘研究員(富国生命保険相互会社参与)
「東日本大震災に伴う警察活動と危機管理について」
- 報告概要:
第一報告では、鷲野研究員が、NPO法人両全トウネサーレが取り組んでいる若者育成事業(児童自立援助ホーム、地域若者サポート
ステーション)および更生保護事業に関して説明した後、農業との関わりも踏まえた各事業の今後の展開可能性について述べられた。
続いて、會田研究員から、棚田地域が抱えている課題をも踏まえながら、農業生産法人株式会社えちご棚田文化研究所が取り組んでいる
就労支援施設「日常塾」の活動について報告が行われた。
第二報告では、新岡研究員から、東日本大震災当時の被害状況や警察活動、危機管理のあり方について、実際の経験をもとに報告が
行われた。
報告後、職員に対する精神的ケアの有無や救助活動を行う組織間の連携の仕組について質疑応答が行われた。
<第57回定例研究会風景>
WIPSS第58回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年5月27日(土)15:00-18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階312号教室
- 報告者・報告タイトル:
石田 咲子 研究所員(法学学術院助手、大学院法学研究科博士後期課程)
「更生緊急保護の刑事政策上の位置づけに関する考察」
瀬田 真 招聘研究員(横浜市立大学国際総合科学部准教授)
「海上テロリズム諸条約に対する日本の対応と課題」
- 報告概要:
第一報告では、石田研究員から、立法政策・運用政策を踏まえながら根拠法の制定時及び現在における更生緊急保護の位置づけ
について報告が行われた。
報告後、刑事司法の他の諸制度や福祉制度の運用がなされている中での更生緊急保護の意義について質疑応答が行われた。
第二報告では、瀬田研究員から、海上テロリズムに対する国際条約についての説明と、それに対応する日本の法令上の課題
について報告が行われた。
報告後、日本国民が被害者となった場合等の想定される海上テロリズムへ対応する際の法的根拠の有無や、処罰可否に関する
実体法と手続法との関係性について質疑応答が行われた。
<第58回定例研究会風景>
WIPSS第59回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年7月29日(土)15:00-18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階312号教室
- 報告者・報告タイトル:
宮田 桂子 招聘研究員(弁護士)
「弁護活動における社会復帰支援の現状と課題」
川邉 讓 氏(駿河台大学心理学部教授)
小長井 賀與 招聘研究員(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
「『犯罪者・触法者の地域社会への再統合支援における課題と地域福祉との連携』に関する研究の成果について」
- 報告概要:
第一報告では、宮田研究員から、弁護活動における社会復帰支援について、具体的な事例も紹介しながら現状と今後の課題に関して
報告が行われた。
報告後、弁護士会・検察庁と福祉との連携のあり方、矯正・保護の段階も通じた「更生支援計画」の活用等に関して質疑応答が行われた。
第二報告では、川邉氏・小長井研究員から、「犯罪により処分を受けた後、一定期間再犯なく経過し、その生活状況等から更生したと認め
られる者」に対して実施したインタビュー調査をもとに、更生要因・プロセスについて対象者類型ごとの特徴を分析した結果が述べられた。
報告後、再犯を行った者との比較や、本調査対象者とは異なり更生保護施設ではなく地域生活定着支援センターを利用した者との比較の
可能性等について質疑応答が行われた。
<第59回定例研究会風景>
WIPSS第60回研究会開催記録
- 開催日時:2017(平成29)年9月30日(土)15:00−18:30
- 開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館6階606・607号教室
- 報告者・報告タイトル:
北田 真理 招聘研究員(杏林大学総合政策学部専任講師)
「ハーグ子奪取条約と子の連れ去りの刑事罰化に関する検討」
廣見 正行 招聘研究員(上智大学法学部特別研究員)
「国際テロリズムと国際法における緊急事態」
- 報告概要:
第一報告では、北田研究員から、わが国でも2013年に国会で承認された「ハーグ子奪取条約」に関し、子の連れ去りを刑事罰化することの
是非について事例を交えながら報告が行われた。
報告後、民事上の対応では足りないのかどうか、刑事罰化する際には具体的にどのような行為を処罰の対象とするのか、等について
質疑応答が行われた。
第二報告では、廣見研究員から、2015年のパリ同時テロとそれに対するフランス政府の国家緊急事態宣言を題材に、国際テロリズムに
対する法整備のあり方について報告が行われた。
報告後、法整備に際して念頭に置かれるテロの類型、テロへの対応に伴う人権条約との整合性等について質疑応答が行われた。
<第60回定例研究会風景>