公益財団法人日工組社会安全財団からの一般研究助成(2012年度)
「高齢出所者に対する地域生活定着支援センターの運用実態に関する研究」
2012年度から引き続き、公益財団法人日工組社会安全財団(旧称 財団法人社会安全研究財団)の一般研究助成「高齢出所者に対する地域生活定着支援センターの運用実態に関する研究」を実施致します。概要は以下のとおりです。
◇テーマ 「高齢出所者に対する地域生活定着支援センターの運用実態に関する研究」
◇研究代表者 石川 正興(早稲田大学社会安全政策研究所所長、同大学法学学術院教授)
◇共同研究者 渡辺 則芳(早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員、国士舘大学法学部教授)
小西 暁和(早稲田大学社会安全政策研究所研究所員、同大学法学学術院准教授)
宍倉 悠太(早稲田大学社会安全政策研究所事務局員、同大学大学院法学研究科博士後期課程)
三枝 功侍(早稲田大学社会安全政策研究所事務局員、同大学大学院法学研究科博士後期課程)
◇研究期間 2012年4月〜2013年10月末
◇助成額 3,000,000円
◇研究概要
わが国の高齢者(満65歳以上の者)人口は既に総人口中23%にまで達し、2055年には40%を超えると言われている。こうした超高齢化社会の到来は刑務所にも及び、出所→再犯→再入所の悪循環に陥った高齢受刑者数は年々増加してきている。この悪循環を断つことは、刑事政策上のひとつの大きな課題となっている。
この状況を受け、法務省と厚生労働省とは連携し、2009年から高齢・障害のある刑務所出所者を支援する「地域生活定着支援事業」を開始した。当事業の中核となるのは、全都道府県に置かれる「地域生活定着支援センター」(以下、「地域センター」という。)である。地域センターは2011年度末に全都道府県に設置され、当事業は本格的に運用を始める。
しかし、送り出す側の矯正施設、受け入れる側の更生保護施設・社会福祉施設の数は都道府県によりバラツキがあり、各地域センターのケースロードにも差異が生じるなど、全国展開を迎え様々な問題が生じ始めている。
われわれはこれまでに研究助成金を得て地域生活定着支援事業の調査研究を重ねてきたが、今後はこれらの成果を踏まえ、全国展開を迎えた当事業の問題点を剔出し、その解決策を探っていきたい。